飯田グループはパワービルダー?工務店と建築費がどれくらい違うのか?住宅設備の値引率がスゴイ!
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なぜ飯田グループ(アーネストワン、一建設、 飯田産業、アイディホーム、 東栄住宅、タクトホーム等々)はパワービルダーと呼ばれているのですか?
パワービルダーが台頭してきたのは、1,990年代後半からで、2000年代に徐々にシェアを急激に拡大してきました。
圧倒的な資金力でスケールメリットを生かし、建築資材を大量に仕入れて、工務店レベルではついていけない真似の出来ない安値で住宅を建築するビジネスモデルで事業を展開している建売業者のことをパワービルダーと呼ばれています。
パワービルダーというは、英語とかではなく、造語で和製英語のようなものです。パワービルダーという言葉を耳にするようになったのは、2000年代頃からだったと思います。従来の建売業者ではやっていなかった厳格な経営管理とスケールメリットで、頭角を現してきました。
年間数千棟単位で、一次取得者層(初めてマイホームを買う人)をターゲットに、土地30坪くらいで、2000万円~4000万円くらいの価格帯を中心とした新築分譲住宅を販売しているのも大きな特徴です。
そのパワービルダーの代表格が、飯田グループの企業で、アーネストワン、一建設、 タクトホーム、飯田産業、アイディホーム、 東栄住宅等々があてはまります。飯田グループの売上高は、1兆円を超えている巨大グループです。
それぞれの会社が単独で、年間数千棟単位で分譲しており、元々それぞれの会社が単独で上場しておりました。
飯田グループ以外ではファースト住建(東証1部上場)が有名です。関東エリアで、成功したビジネスモデルを全国展開しています。
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飯田グループは、グループで建材の仕入れルートを共有しているのか?
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2013年、 より競争力を高めるために、アーネストワン、一建設、 タクトホーム、飯田産業、アイディホーム、 東栄住宅等々は、飯田グループとして経営統合をしました。持ち株会社で、各社そのまま経営統合前と同じように事業を続けています。
経営統合してからは、沖縄や四国や北陸等まだ、進出していなかったエリアにも、進出していっていますが、パイを奪い合わないように、グループの中で、出店する会社を絞り込みながら展開しています。
しかし、建材の仕入れの統合はまだで、各社ともに完全に共有されていません。いまのところは、それぞれの会社の特徴を生かしながら展開しています。
将来的には、合理化を追求すると、店舗や会社の統廃合が進みより同一化されていく可能性は残されています。
2022年2月に、飯田産業が子会社のオリエンタルホームを吸収合併し、2022年4月より、看板の掛け替えが行われ、飯田産業として、営業を継続しています。
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ローコスト住宅を追求すると外観や間取りが同質化してくる
値段が安いローコスト住宅は、値段が魅力です。しかし、ローコストの建築を追及すると、間取りや設備仕様や建材、外観は、類似してきて、どの会社とも似てくることになります。
しかし、いまのところ各社の特徴がのこったままになっているので、各社特徴があります。
飯田グループの中で一番シンプルなデザインなのが、アーネストワンです。
IDS工法で、建物の構造体に特徴があるのが飯田産業で、タクトホームやオリエンタルホームも同じ工法を採用しています。
しかし、建物のクオリティは、プレカット工法で昔ほど職人さんの技量は必要ありませんが、建売住宅すべてにいえることですが、当たり外れがゼロではないので、気になる方は、物件選択時には、インスペクションを入れるといいかもしれません。飯田グループの場合、住宅性能評価書が標準で、第3者の目が入っているのは、安心材料です。
工務店とパワービルダーの建築費の違いは
パワービルダーと工務店が家を同じような面積、間取り、外観、内装、設備の住宅を建築したとすると、圧倒的にパワービルダーの方が安くなります。ざっくりですが、400万円~500万円くらい違う印象です。
パワービルダーは、このコスト競争力を武器に、シェアを拡大し続けています。
ではなぜ、そこまで差が開くのか?
パワービルダーのコスト削減は下記の4点からなります。
1、大工さんや職人さんによる価格差
2、建材、設備等による価格差
3、パワービルダーは下請け工務店に丸投げしていない
4、パワービルダーの建売分譲は販売の営業マンがいない
年間数千棟、建築するからこそスケールメリットが生まれます。年間数百棟ではなかなかコストダウンが難しいのが現実です。
中小の業者ほど、コロナによるウッドショックの影響を強く受け、さらに、ウクライナ危機により、世界の3割木材を供給しているロシアの木材が、手に入りにくくなることから、ウッドショックの継続と、さらなる木材の値上げが懸念されます。
建築コストは、木材価格だけでなくその他の建材も高騰しています。
コスト競争力は、土地仕入れ能力に直結します。土地仕入れ能力が高ければ、土地情報をくれた仲介会社に専任返しをする必要がなく、土地仕入れ能力の低いつまりコスト競争力の低い中小業者ほど専任返しをして、土地情報をくれた仲介会社に恩を売る必要があります。
2022年4月から LIXIL(東京都江東区)は価格改定を行い、主要商品では住宅用サッシが10~12%程度、エクステリア関連が10%程度、トイレが2~33%程度、ユニットバスルーム4~39%程度、キッチン2~11%程度などの値上がりとなっているなど様々な建材の値上がりが続いています。
中小の業者だけでなく、大手の飯田グループでさえ大きく影響を受けつつあり、これからは中小の業者と大手の建築コストの差がさらに開くと予想されます。
ウッドショックの木材高騰に加え、サッシ等の建材の値上がりも、新築一戸建ての値上がりの圧力につながっています。飯田グループは自社で施工しているが、中小で建売をしているところは、下請けで丸投げしているところもかなり多く、そういった丸投げしているところは、価格上昇を吸収するところがなく、今後もろに建材の上昇による影響を強く受けると思います。
大工さんの価格差 人工(にんく)代と工期の違い
仮に棟梁一人で大工仕事をして、完成させて、3か月程の工期で30坪160万の場合、月に25日仕事をしたとして一日2万円程になります。3人の大工で入れば、1ヶ月くらいの工期が目安です。
平均的な工務店の発注金額:30坪×6万円/坪=180万円
平均的なパワービルダーの発注金額:30坪×3万円/坪=90万円
工務店の標準的な工期:2ヶ月~3ヶ月
パワービルダーの標準的な工期:1.5ヶ月 着工から木工事完了まで45日
パワービルダーと工務店の違いで最も分かりやすいのが、大工さんや職人さんなどへの「手間代」です。大工さんの場合ですと、工務店が大工さんに仕事を発注する手間賃は、1日あたり2万円前後の金額が相場となっています。
ハウスメーカーの大工もそうですが、パワービルダーの大工も一人親方です。
パワービルダーの場合、なぜ安い人工代で、大工さんは納得するのか?定期的に仕事を発注してくれるからこそ、ついてきます。定期的に発注してくれないと離れていきます。
パワービルダーでは大工さんの施工費を坪あたりで換算して、大工の手間代を「坪単価」で決めていて、1現場いくらもらえるという感じになっており、その中から交通費等は捻出することになります。新築住宅の場合、大工さんの施工日数をあらかじめ決めて発注するのは難しいので、工務店もしくはパワービルダーが大工さんに仕事を発注する際は、「坪単価」を決めて発注することが多いかもしれません。
工務店が大工さんに仕事を発注する場合、平均的には1日あたり2万円で、パワービルダーが大工さんに仕事を発注する際の坪単価としては、3万円/坪前後くらいが目安です。
ハウスメーカーが注文住宅で、発注する場合、造作とか手間が違うので、手間暇が苦にならない熟練した大工さんの方が、やや単価が高くなります。パワービルダーの場合、窓の大きさもパターンが決まっているし、手間暇が注文住宅のようにかかりません。
工務店とパワービルダーの価格差が大きくなる理由として、回転率を重視するため「工期」も重要視している点です。回転率を重視すると、売りにくい3階建ては避ける傾向にあり、工期的にも、2階建てより3階建ての方が、時間がかかります。だから、大手建売のパワービルダーは、2階建てが中心です。
工期が短い方が、現場にかかる経費も抑えられるだけでなく、早く引き渡しを行うことで工事代金も早く回収できます。また、工期が短くなると、銀行から借り入れている場合、金利負担も削減できます。パワービルダーの場合、工期を短くすることで、コストパフォーマンスを実現するという考え方です。
作業工程を効率化していきますので、間取り変更や仕様変更はできないようになっています。着工前に契約した場合、カラーセレクトやコンセント増やしたりというレベルのことはできますが、間取りを変更して、再度、建築確認を出し直したりと言うことはしません。
平均的な工期
建築確認申請(1週間) 3階建ての場合2週間
基礎工事 (検査含む)2週間
上棟から 木工事完了まで 45日
また、間取りもある程度パターン化されており、アウトソーシングで、設計を外注するときも、 「定期的に仕事を発注する」ことを前提に、建築士に支払う建築確認等の費用も相場よりも安い単価を設定してコスト削減を図っております。土地仕入れ時に発生する登記費用も同じように割安で発注しています。
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住宅設備や建材は、スケールメリットにより大幅削減できる
パワービルダーは仕様を固定化し、割安な製品を大量に購入することで、仕入れ価格を下げています。一方、ハウスメーカーでは、お客様の選んだ製品を仕入れます。工務店とパワービルダーの決定的な差は、年間の建築戸数が全く違うので仕入れ価格が全く違います。特に仕入れ価格の差が大きいのが、住宅設備機器です。
例えば、各メーカーとも、新製品等は割引率が低く、古い製品は、値引率は高くなります。注目すべきはローコスト住宅用に開発した量産型の製品は割引率が驚異的に高いということです。
金額はあまりオープンにはできませんが、工事部の人に仕入れ金額を聞いて、腰が抜けそうになるくらいびっくりしました。
工務店の場合でも、工務店で提携しているメーカーの建具、サッシ、クロス等を出来るだけ使った方が値引率は高くなります。どこでも安くなる理屈は同じです。しかし、ローコストメーカー、パワービルダーの値引率のスゴさとは比較になりません。
パワービルダーは、年間棟数が数千棟になるので、個々にメーカーと交渉してさらに安く入手するルートの構築があり、他社がその金額を聞くとびっくりするような金額で仕入れています。
パワービルダーは下請け工務店に丸投げしていないからコスト削減できる
建売業者の中には、下請けの工務店に、建築を丸投げしているところが多くあります。これが、コストが下がらない大きな理由になっています。
丸投げというのは、自社で工事管理をせずに、別の工務店にすべての工事を発注することです。丸投げした費用に利益をのせている建売住宅はよくあります。
パワービルダーの飯田グループでは、工事部があり、現場監督を社員で雇っています。現場監督が、大工やクロス屋さんや設備屋さん等に個別に手配して(分離発注)、工程管理を現場監督が行い建築しています。
パワービルダーの建売分譲は営業マンがいない
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自社で、営業マンを抱えて販売する場合、広告費が必要になるだけでなく、営業マンなどの人件費など、経費は膨大にかかります。また、注文住宅のハウスメーカーの場合、展示場にモデルハウスを設けており、その建設・運営の費用も必要です。パワービルダーは、営業マンを雇っていません。
パワービルダーのビジネスモデルは、コスト削減の積み重ねで、ローコスト住宅を提供する仕組みです。営業マンを抱えていないビジネスモデルで展開するパワービルダーは、販売は仲介会社が行うことになります。仲介手数料の割引のある仲介会社で購入するとお得に購入できることになります。
まとめ
ローコスト住宅の価格は、地道なコスト削減の積み重ねで成り立っています。 中小の建売業者は、利益率をきっちり確保して事業を行います。 家づくりの価格には、将来的に事業継続ができる健全な経営を可能にするコストも住宅価格には含まれているので、スケールメリットによる薄利多売の手法は購入する側にとってはありがたいところです。住宅性能評価や耐震等級3を取得している建売住宅は飯田グループ以外ではほとんどありません。住宅取得を目指す方々はこのような点にもしっかりとチェックして頂きたいと思います。住宅は、長い時間を過ごす場所となりますので、耐震性など安心して住める住宅をオススメします。
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