両手取引と片手取引の違いは?それぞれのメリット・デメリットの最低限知っておくべきこと

不動産取引の基礎

両手取引と片手取引の違いは?それぞれのメリット・デメリットの最低限知っておくべきこと

関連記事:関西の新築一戸建てを仲介手数料最大無料で購入するはこちら

片手仲介と両手仲介の違いは、これから不動産の購入や売却を考えている方は、絶対に知っておかないといけない内容です。これが理解できていないと、不動産の営業マンに簡単に言いくるめられてしまいます。

では、片手仲介と両手仲介とはどういったものなのでしょうか?

片手仲介と両手仲介ともにメリット、デメリットはありますがリスクの低い安全な取引を依頼するには、気をつけるポイントについて買い手側の目線を主に不動産業界歴20年以上のプロが解説していきます。

不動産会社の仲介手数料とは

不動産仲介会社が不動産売買の仲介を成立させた時に、不動産会社に入る儲けの事を仲介手数料と言いますが、その種類は大きく分けると

  1. 両手取引(両手仲介)
  2. 片手取引(片手仲介)

の2種類によって手数料が発生します。仲介手数料は、あくまで成約報酬となりますので、成約しないと仲介手数料は発生しません。最低限、両手仲介、片手仲介の意味をしっかり理解した上で、物件探しをすることが大切です。これをきっちり理解しておくと、営業マンの言動の真意を推察しやすくなります。

片手取引とは(わかれ)

一般的な不動産仲介会社は、あの手この手の方法で両手で成約しようとします。不動産仲介会社からすれば、売り手と買い手の両方から仲介手数料をもらえるからです。片手よりも二倍の手数料を貰える両手を目指すのが、当たり前の世界であるという認識をもって家探しをしなければいけません。売り手から媒介依頼がない限り、両手取引にはなりませんので、実際には、片手取引は多く存在します。ある営業マンに、こういう条件で探して欲しいという形で依頼すると、自分が売り手から媒介依頼をうけている物件以外で契約すると片手取引になるということです。

片手取引は、「わかれ」ともいいます。この用語も資料にはよくでてくる用語で知っておいて欲しい言葉です。また、「あんこ」という言葉もあります。これは、知っておいても知らなくてもいいと思います。

片手取引のポイント

では、初めに片手取引の説明をします。売り手と買い手それぞれに違う仲介会社が入り取引をすることです。よくある取引が片手取引です。

まず、知っておかないといけないのは、レインズという仕組みです。媒介依頼を受けると、専任の場合、7営業日以内にレインズ登録しなければいけないと法律的に決まっています。分譲会社の場合、土地の仕入れの決済が終わると同時にすぐにレインズ登録を行います。

レインズに登録すると、全国の不動産会社が情報を得て、自分のお客様に情報を提供していきます。

この場合、売り手と買い手の仲介会社が違う場合、それぞれ違う不動産会社に仲介手数料を支払います。売買契約が成立して初めて仲介手数料が発生します。

売り手:依頼したAという不動産会社へ支払う

買い手:依頼したBという不動産会社へ支払う

という流れになります。

両手取引とは

不動産取引で売主と買主の双方の仲介を同一の会社・営業マンが行うことを「両手仲介」と言います。 これは、売主は高く売りたい、買主は少しでも安く買いたいのが当たり前なので利益相反になることを1人の営業マンが行うことになるので、営業マンの顧客意識が低い場合、トラブルになる可能性をはらんでいます。そのため、米国などの海外では法律で禁止されています。 しかし、日本では、法律的には禁止されていません。そのため、どの仲介会社も、両手取引になる新築一戸建てを狙ったり、大手不動産仲介会社の場合、媒介依頼を受けている物件を決めようとして、結果的に取引の半数は「両手」になっているのが現状です。 媒介を受けると「両手」を狙うため、まずポータルサイト(スーモやホームズ)への他社の掲載を不可とします。他の仲介会社はポータルサイトやホームページに掲載できなくなります。そのため、1社だけ掲載されていることになります。

双方を仲介するため、公平性に問題があるという意見も多いですが、結局は営業マンのモラルに問題があるかないかが重要で、営業マンのモラルに問題があると危険な取引手法になります。

新築の一戸建てには、両手取引になる物件が多く存在します。

1つの物件を多くの不動産会社が掲載しているのを見たことがあると思いますが、特に新築一戸建てに多いのですが、売主である分譲会社が直接レインズに登録して、ポータルサイト(スーモやホームズ)に掲載を「可」としているためです。物元業者が広告掲載を「可」としているか「不可」としているかだけの違いです。

つまり、広告の掲載を可にするか不可にするかだけの違いなので、掲載している仲介会社しか取り扱いができないというわけではなく、どの仲介会社でも取り扱いができる物件がほとんどということを知っておくことが重要なポイントです。

関連記事:【不動産業界の裏側】ポータルサイト(スーモ、ホームズ)の仕組みを徹底解説 仲介手数料とポータルの関係は

つまり、信頼できる営業マンを1人見つければ、家探しは楽になるということです。

分譲会社の多くは、自らレインズに登録して、広告掲載を「可」にして拡散させた方が、早く売れることを知っているためオープンに営業活動を行っています。

ここで、疑問に思うことが、直接、分譲会社が販売した方が、販売した仲介会社に仲介手数料を支払わなくてもいいので、お得なのではと思う方もいるかもしれませんが、現実的には、営業マンをかかえると、営業マンの給料であったり、広告の経費を考えると、仲介会社に仲介手数料を支払って販売を丸投げした方が結果的に、コストが安くなり、合理的と考える分譲会社の方が多く存在します。そのため、新築一戸建ての建売住宅は、両手取引になることが多くあります。実際、直売している分譲会社は、年々少なくなっており、直売している新築一戸建ては、利益率をかなり高めに設定して、販売していかないと割に合わなくなるためかなり割高になっています。売れ残ると経営的に苦しくなるので、無理なゴリゴリした営業スタイルになりがちでトラブルも起こりがちになります。

関連記事:新築戸建を売主から直接買うと仲介手数料は無料で、お得なのか?(建売・売建住宅)

自社分譲の営業スタイルとして、自社の物件以外は紹介できないことが一般的なので、直売している営業マンに他にいい物件ないですかと聞くのは野暮な質問となります。自分の売っている物件が世界NO.1であると自己洗脳しながら売っていくのが、直売営業の基本スタイルです。

また、専任返しで、レインズ登録なしで、専属の仲介会社が入っている場合も、両手取引になります。分譲会社と仲介会社がズブズブの関係の場合、他社が仲介に入ることはできません。この場合、満額の仲介手数料を支払うしか方法はありません。

分譲会社も、レインズ登録なしで、仲介会社を最初は、限定していても、売れないと困るので、専任返しは、3ヶ月というパターンも多いです。3ヶ月過ぎるとどの仲介会社でも取り扱いできるのが、専任返し3ヶ月です。

また、スーモだけ、特定の会社だけ掲載するパターンや、ポータルサイトだけ、特定の業者だけ掲載するといった縛り方もあります。

関連記事:新築一戸建て、飯田グループの建売の値引き交渉の方法 価格改定のタイミングを知る!

両手取引のポイント

買い手と売り手の両方からもらうことになるので、入ってくる仲介手数料が、片手取引に比べると2倍になります。1人の営業マンが、売り手と買い手の両方を担当して取引するのが両手取引です。

このように見ると、両手取引は仲介業者にとても利益があるようにみえます。しかし、売り手の媒介契約にこぎつけるまでの売り求むチラシをポスティングしたり、DMを送付したりするコストを考えると多額のコストがかかっており、その経費分を回収するために、両手取引を狙おうとします。ただここで知っておくべきは、なんでもかんでも両手取引を狙おうとしているわけではないということです。つまり、強く両手取引を狙うのは、今月の売り上げが読めるような流通性の高い物件で、例えば、人気主要駅徒歩5分以内の人気マンションとかです。

なんでもかんでも両手を狙う業者は、かなりヤバイ業者・かなりヤバイ営業マンだと思います。押し売りのゴリゴリ営業が常態化していると思います。営業マンは個人経営者のようなものなので、営業マン選びが購入するときも売却する時も一番重要です。会社名で選んでもピンキリです。

基本的に、なんでもかんでも囲い込もうとするわけではありません。媒介契約は3ヶ月更新なので、数字の読める物件以外は片手でもいいから、元を取ろうとするフェーズにすぐになります。

仲介手数料に関しては、仲介業者との交渉によって決まりますが、様々なコストがかかっている事情があることを考慮して交渉にあたることをオススメします。 仲介会社のコストの大部分は、広告費と人件費です。
両手取引での回収をある程度の割合でしないといけない大手仲介会社の場合、簡単には仲介手数料を値引くことができないということです。

大手仲介会社の場合、両手取引であっても、仲介手数料の値引きは不可です。毎月、手数料収入が300万円~500万円のノルマがあります。そのため、手間暇のかかる案件は避ける傾向があります。

仮に、値引き交渉するとしても、仲介手数料の値引き交渉は最後の契約のタイミングではなく、必ず一番最初に行うことが重要です。内覧する前にはすべきだと思います。

少しでも、仲介手数料を割り引いて欲しい、諸費用を少しでも少なくしたい等考えている方は、最初から割引を許容している会社がオススメです。そうでない場合、仲介手数料という形でしか報酬をもらえないので、その手数料を割り引くとなると、経営に大きく響くことになります。

なによりも、営業マンのモチベーションに大きな影響を与えますので、注意が必要です。最初から割引を前提としたビジネスモデルであれば、営業マンの選別は必要とはいえ、気まずくなることはなく、安心・安全な取引ができる確率が上がります。

新築一戸建ての場合、両手取引になる物件が存在します。その場合、少数派ですが、大幅に仲介手数料を値引くことができる会社があり、お得に購入できます。つまり、両手仲介の方が、仲介手数料の値引きしやすい土壌があります。ただ、値引きはと考える営業マンも多いので、交渉する相手を選んだ方がいいです。

関連記事:新築一戸建(建売)の仲介手数料は無料・値引きできるの?仲介手数料の値引交渉の注意点とデメリット

特に、新築一戸建てを購入する場合、仲介会社次第で諸費用が100万円以上安くなることがザラにあります。その場合の仕組みは下記のようになります。

関連記事:関西の新築一戸建てを仲介手数料最大無料で購入するはこちら

ちなみに、4000万円くらいの物件を購入した場合、仲介手数料がどのくらい必要になるのか試算してみました。

(例)「物件を4,000万円で購入」

■手数料の計算方法
成約価格の3%+6万円に消費税なので
4,000万円×3%+6万円=138.6万円
となります。

これが両手取引の場合は、仲介業者はAとBの双方から138.6万円ずつ受け取る計算になるので138.6万円×2=277.2万円 

となります。

なお、仲介手数料の金額(上限)は、宅建業法で定められています。この上限を超える金額を仲介業者が受け取るのは違法にあたります。 仲介手数料の法定上限額は以下のようになります。

売買価格報酬上限
200万円以下5%+消費税
200万円から400万円4%+消費税
400万円以上3%+消費税

上記のような計算上の数字は、不動産仲介業者が受け取れる仲介手数料の上限額であり、交渉次第では割引できる場合もあります。

建売業者が直売している場合、買手と売手の建売業者との契約になるため間に仲介業者が入りません。よって仲介手数料は不要になるため必然的に仲介手数料も無料になります。そのかわり、営業マンの給料等のコストが価格にのせてあるため、価格は相場よりかなり割高にはなります。

関連記事:新築一戸建て(価格3000万円)の購入の諸費用ローン込みの諸費用はいくらかかるの?内訳はどうなるの?

関連記事:新築一戸建(価格4000万円)の購入の諸費用や建物のグレードは安い建売とどう違う?土地仕入値段の計算の仕方?

関連記事:新築一戸建ての200万円の値段交渉が、即OKで、即契約をせかされ、仲介手数料の値引きなしの裏側!価格交渉で忘れてはいけないこととは!

両手仲介のメリットとデメリット

関連記事:関西の新築一戸建てを仲介手数料最大無料で購入するはこちら

両手仲介とは、不動産業者が売り手と買い手の双方を仲介する取引手法のことです。

両手仲介のデメリット

両手仲介の問題点は主に以下の2つです。

1.利益相反している

両手仲介では、高く売りたい売り主と、安く買いたい買い主の双方を1人の営業マンが担当するため、双方の利益を追求できません。なぜなら、片方の利益を追求すると、もう片方が不利益になるからです。

知らないうちに不利な条件で納得させられているというリスクがあります。
売主側から見ると、売り主の利益を最大化するために、物件を高く売ろうと交渉して欲しいと考えます。一方、買主側から見ると、買い主のために物件を安く買えるように交渉して欲しいと考えます。
ここでのリスクのポイントは、仲介手数料は、あくまで成約報酬であるということです。両手仲介を成立させたいが為に、片方を犠牲にして、無理にまとめようとする心理が生まれる可能性があるということです。売り主と買い主の双方を同じ営業マンが担当すると、どちらか片方の利益を追求すると片方が犠牲になる可能性があるということです。

売り上げのために、不正な取引の餌食になるリスクがあります。これは会社の大小は関係ありません。営業マンのモラルの問題です。

2.囲い込みによる様々なリスク

不動産仲介業者は売り主と買い主の双方を仲介するため、2倍の仲介手数料を得ることができます。そのため、不動産仲介業者が自分の利益だけを追求して、不正に両手仲介を狙うことがあります。この不正な行為のことを「囲い込み」といいます。

囲い込みとは、売却依頼を受けた物件を他の仲介会社に取り扱わせないようにする行為のことです。通常、物件を売却する場合には、不動産業者が「レインズ」という業者専用の情報サイトに物件の情報を登録して、多くの不動産業者に情報を拡散させます。専任媒介契約以上の媒介契約では、この「レインズ」に登録する義務があります。コンプライアンスが重視される現在でも、違法に登録しない業者は少なからず存在します。そういった会社は、ゴリ押し営業が常態化しており、仲介手数料以外にもローン事務手数料の名目で、20万円とか30万円請求したりする可能性があります。他社が入れないので、サービスの質が悪くても、その仲介会社でしか購入できないことになります。また、無理矢理、両手になる物件に誘導してくる可能性が生まれます。

売り手を担当する業者は、買い手よりも売り手を大切にする傾向があります。媒介契約を切られないように、売り手には気をつかいます。媒介契約は3ヶ月更新なので、更新してもらえないと、いままでの販売活動が無駄になるという意識が働きます。

スーモやホームズでみつけた中古物件に、直接、掲載している業者に問い合わせをすると、両手仲介になる危険性が高いです。

両手仲介のメリット

両手仲介は問題点も多いですが、モラルのある営業マンが適切に取引をすれば問題のない取引方法でもあります。メリットは以下の点です。

①交渉がスムーズで話が早い

取引を同じ営業マンが行うため、買い主と売り主の交渉・商談がスムーズです。例えば、片手仲介の場合は買い主が値引き交渉をしたいと考えて交渉の依頼をすると、間に別の不動産仲介業者が入るため、どうしてもワンクッションおくことになるので、時間がかかったり、コミュニケーションがうまくいかず、行き違いが生じるリスクがあります。
売り手の担当であれば、物件のことも、売り手のこともよくわかっているので、買い手から質問がある場合にすぐに答えることができるというメリットがあります。

関連記事:中古住宅購入時の「値引き」はできるのか?交渉のタイミングとコツとは?

片手仲介のメリットとデメリット

片手仲介とは、物件の売却依頼をうけた会社と、物件の購入依頼をうけた会社が異なる取引手法になります。つまり、売り手の方だけ仲介に入ったり、買い手の片方だけ仲介に入ったりして、売り手と買い手の仲介会社が別々になる取引のことです。

売り主か買い主の一方だけを担当して、顧客の利益を最大限にすることだけにコミットできることが大きなメリットとなります。

新築一戸建てでも、片手仲介になる物件があります。分譲会社側に、仲介会社が入り、その仲介会社が、レインズ登録する場合です。直接、分譲会社がレインズ登録する場合、両手取引になります。

分譲会社が直接、レインズ登録できるのに、わざわざ仲介会社に仲介に入ってもらう理由の一番の理由は、土地の情報が欲しいからです。その仲介会社に恩を売っておきたいからです。

片手仲介のメリット

1.公平な取引がおこなわれる

片手仲介は、利益相反しないため、公平性が高い取引にできます。買い主か売り主のいずれか片方を担当するため、担当した側の利益の最大化を考えて動けるためです。
このように、顧客の利益を最大化しようとする姿勢で、取引がおこなわれるので、売り手と買い手の双方にメリットがある取引手法といえます。

片手仲介のデメリット

1.商談・交渉に時間がかかる

間に別の会社の営業マンが入るため、商談したり、交渉するときに買い主と売り主間でのコミュニケーションがなかなか取れず、時間がかかったり、意思疎通に手間がかかったりすることがあります。

関連記事:新築一戸建の値引きの相場とは?価格交渉の方法とタイミングの重要性を徹底解説!中古物件の値引相場と比較!

関連記事:中古住宅購入時の「値引き」はできるのか?交渉のタイミングとコツとは?

まとめ

自分の利益を最大化させて、商談・交渉をするという意味では、片手仲介で、専属のエージェントにまかせるのが、確実な方法です。

両手取引の透明性を高める方法は、レインズを一般の方にも自由に閲覧できるようにレインズを解放することが近道です。利権がからんでいるので、不動産業界の民主化・自由化の道のりは、まだまだ時間がかかりそうです。

ただ、両手仲介もモラルがあり適切にできる営業マンであれば、取引上問題はありません。不動産売買を成功させるためには、片手仲介と両手仲介の違いや仕組みについて最低限知っていることが重要になります。そして、結局は、まかせることができる、信頼できる営業マンを見つけることが不動産取引成功の一番の近道になります。

REAL BANK
未来の価値ある住文化を創造する
アーバン・サイエンス株式会社
〒564ー0063
大阪府吹田市江坂町1丁目16番10号 メゾン江坂102
TEL 06-6155-4980
E-mail:info@realinfobank.com
【当社HP】
https://www.realinfobank.com/

タイトルとURLをコピーしました