中古住宅の取引でよく聞く現状有姿って?瑕疵担保責任はどうなる?契約不適合責任とは

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中古住宅の取引でよく聞く現状有姿って?瑕疵担保責任はどうなる?契約不適合責任とは

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中古住宅(中古マンション・中古戸建)を購入するとき、保証はどうなるのか気になります。中古住宅 (中古マンション・中古戸建) の取引では、現状有姿(現状渡し)で取引することが一般的ですが、そもそも現状有姿での取引とはどんな取引なのか?瑕疵担保責任(契約不適合責任)とはどのような取引なのか、中古住宅を購入する上で絶対知っておくべき内容を不動産業界歴20年以上のプロが経験に基づいて徹底解説していきます。

現状有姿売買ってどういう売買?

そもそも現状有姿とは(現状渡し)

現状有姿とは見た目のまま、そのまま、現状のまま売りますという意味です。中古住宅の不動産売買の基本は、現状有姿での売買です。

中住宅の購入を検討している方は、現状有姿の売買取引の意味について理解して契約しなければいけません。

例えば、クロスが剥がれている、クロスがカビだらけ、外壁にクラックが入っている、日当たりがいいのはいいが床がかなり色あせている、床暖房は壊れている、家が傾いている等そのままの状態で引き渡しますということです。補修したり外壁を塗り直したり、クロスを貼り替えたりしませんよっていうことです。

現状有姿っていうのは言葉通り、見たまんまそのまま売りますということなので、購入する側としては、補修やリフォームをするのにどれくらいの費用が必要になるのかは必ず見積もりをとって、トータルの予算がどれくらいになるのかを把握した上で購入しなければいけません。

中古住宅を購入する場合、土地・戸建ての取引は、慎重に取引をしないといけません。マンションは現状有姿(現状渡し)でもトラブルになる可能性はかなり低いです。

中古マンションの場合、リフォームの箇所は、専有部分だけになりますので、おおよそのリフォーム費用は、非常にわかりやすく、引き渡し後、トラブルになることは、ほとんどありません。

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中古戸建ての取引の場合、想定外の費用が発生するリスクもありますので、予算に余裕をみて検討しておく必要があります。

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現状有姿での売買だと、不具合が家にあっても責任を問えないのか?

築年数が古い物件の場合、責任を問われると困るので、瑕疵担保責任免責(契約不適合責任の免責)の特約をつけて契約をすることが一般的です。 不具合や故障があってもそのままで引き渡しされます。契約後、購入時気づかなかった不具合や故障があったとしても、売主に責任を問うことはできません。

中古の取引は、瑕疵担保免責での取引が一般的です。

築年数がかなり浅く、設備等に全く問題がない場合、かなり短い期間ですが、契約不適合責任の免責の特約をつけずに、 売主が責任を負う形で契約することもあります。この場合は、一定期間、責任を問うことができます。

免責の特約がある場合は、故障や不具合のある箇所については、設備表で明記してくれますが、補修はしてくれません。

そのため、築年数が新しい物件以外は、補修したりリフォーム費用が発生することを前提にして購入しなければいけません。

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瑕疵担保責任(契約不適合責任)免除の特約とは何か

契約不適合責任の免責特約は、築年数が古くなると必ずと言っていいほどこの特約をつけて契約をすることが多いです。築年数が10年、15年を経過していると、この契約不適合免責の特約がついている可能性が高いと思って間違いないです。一般の売主様は、設備については、免責を希望する方が非常に多いです。

売主側の仲介会社も、決済後のトラブルを回避するため、契約不適合免責の特約をつけることを売主に提案する傾向があります。

築年数が新しい物件でも契約不適合責任を免責にして契約することはよくあることです。中古=瑕疵担保免責(契約不適合責任免責)と考えておいてほぼ間違いありません。

瑕疵担保責任の免責とは、契約時に、もし、引き渡し後に想定できなかった瑕疵(傷)が発生しても、その責任は負わないと、特約に明記して免責にします。民法が改正し、瑕疵担保責任は契約不適合責任となっています。

売主も一般の素人で、不動産のことはよくわからないため、瑕疵担保責任免除の特約というのは中古住宅を流通を活発にする上では、有効な方法であるともいえます。

瑕疵には、物理的な瑕疵、法令の瑕疵、心理的瑕疵、環境的瑕疵があります。

契約時に、買主が認識していない災害リスク、水災等は、錯誤や契約不適合責任による解除にあたる重要なポイントです。

契約不適合責任を負わない特約は有効です。

瑕疵担保責任免責(契約不適合責任の免責)の特約は有効なのかという点については、結論からいいますと、有効です。

民法上、売買契約の目的物について、契約不適合(引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないこと)がある場合には、買主は、売主に対し、目的物の修補損害賠償などの契約不適合に関する責任を追及することができます。

このような売主の民法上の責任については、当事者間の特約によって、免除したり軽減したりすることができ、免責特約も有効です。

契約不適合責任を負わない特約は有効!

売主が宅建業者の場合は2年責任を負わなければいけません。

民法の制限があるだけ

免責特約をしたときであっても、売主が、知りながら告げなかった場合については、その責任を免れることができません(民法572条)。このような不誠実な売主が、免責特約を理由に責任を免れることは信義に反するからです。

これは、瑕疵担保責任の時代も同じです。

そのため、建物の漏水や給湯器が故障しているなどの事実について、売主が知っていたにもかかわらず買主に告げていなかった場合には、免責特約があったとしても、売主が修補などの責任を免れることはできません。

売主としては、あとから買主より、「知らなかった」といわれないように、故障箇所を細かく記載しておくなり容認事項として詳細を記載しておくことが大切になります。また買主としては、どんなリスクが潜んでいるのか確認して購入することが大切です。

また、売主は、一切の瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負わないというような文言の場合、裁判では、縮小解釈される可能性があるため、細かく記載して、買主に対して、誤認されないようにしなければいけません。

契約不適合責任とは別に、売主には、信義則に基づく説明義務責任は存在します。

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120年ぶりの民法改正!契約不適合責任とは

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民法改正で、瑕疵担保責任が契約不適合責任になりました。

どちらかというと買い手には有利な改正という感じです。

関連記事:民法改正について(法務省HP)

民法改正によって、中身そのものはそれほど大きな変化はありません。法律が変わっているので、処理の仕方が違ってきます。

2020年4月1日に施行された民法の改正は120年ぶりの大改正でした。200項目以上の変更がなされています。

その中でも、改正の大きなポイントだけはおさえて、不動産の契約にのぞむことが大切です。

・債務不履行による損害賠償
・消滅時効
・契約解除
・契約不適合責任

買主の契約の解除は、売主の責任があるかないかは関係なく解除できるようになりました。

以前は、売主の責任がなければ、買主からは解除できずトラブルに発展することがありました。

契約を解除できるかどうかは、軽微なことかどうかがポイントになるので、自分にとって重要だと思うことは、特約に記載してもらうことが大切です。改正民法で、解除できるかどうかは、軽微かどうかが解除の理由になるので、特約に盛り込まれているかどうかは重要です。特約に盛り込むことで、軽微でないとアピールすることができます。

契約不適合責任とは、売買契約の際に、売買の目的物に契約の目的に適わない欠陥があった場合に、買主を保護するために売主の責任を規定するものです。瑕疵担保責任という言葉が廃止されました。

改正の目的は、商品の種類に関わらず欠陥があった場合の買主が受けることのできる救済や、「瑕疵」といった言葉そのものをより具体的に理解しやすくという意図があります。

瑕疵担保責任からの変更点

改正後の大きな変更点は以下になりますが、全体的には売主の損害賠償の範囲が増えています。

民法から瑕疵がなくなりました。

瑕疵というのは、簡単にいうと欠陥のことです。

瑕疵担保責任は、瑕疵がある場合だけ、責任が発生していました。

従来の瑕疵担保責任においては、瑕疵(欠陥)がある場合にのみ成立する要件であり、買主が知ることができた瑕疵は瑕疵といえませんでした。改正された契約不適合責任では、「隠れたる」の文言は外されて、買主が知ることができるかどうかは関係なく契約の内容に適合するかどうかのみを要件としています。

そのため、特約には、詳細を記載する必要があります。

不動産の品質については、こまかく契約書に残す必要があるため、瑕疵担保責任の時代より詳細な文面になる傾向があります。

品確法においては、瑕疵担保責任という概念は残っています。新築の10年保証はいままでどおりです。

2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)という法律によって10年保証が定めら れています。
「新築住宅の10年保証」とは、「基本構造部分」について、分譲会社が引き渡した時から10年間「瑕疵担保責任」を負うことを義務付けている保証のことです。

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権利行使の方法に「追完請求・目的物の修補」と「代金減額請求」が加わったこと

瑕疵担保責任の時代は、欠陥があるから値段を安くしてくれと言うことができませんでした。

軽微でなければ、解除ができるというのが大きく違うポイントです。

また、従来の瑕疵担保責任では、「契約解除」「損害賠償請求」が認められていました。契約不適合責任では、契約解除と損害賠償請求を選択できるようになりました。軽微でなければ、解除ができる内容です。瑕疵担保責任の時代はよっぽどひどい内容でなければ解除できませんでした。売主が契約を守らない場合、つまり契約不適合責任については、 「契約解除」と「損害賠償請求」 の2つに加えて、契約不適合部分の修理や補修をするように売主に要求する「追完請求・目的物の修補」と、商品に欠陥がある場合には「代金減額請求」が認められています。

権利行使が「知ってから1年以内の『請求』」から『通知』に変更

瑕疵担保責任では買主は、瑕疵の内容を知ってから1年以内に「請求」をしなければなりませんでした。「請求」とは「欠陥の具体的な内容とそれに基づく損害賠償請求をして、かつ具体的な金額を提示しなければいけないことを意味します。そのため、以前はハードルが高かったのですが、改正民法では、問題点だけ伝えればOKとなっているので、買主に有利な改正になっています。

契約不適合責任の特約による免責

契約不適合責任(2020年4月より)は、従来の瑕疵担保責任と比較すると、売主側の責任範囲が大きくなっています。しかし、契約自由の原則があるため、契約書に条文として明記してあったり、特約に詳細に明記すれば、免責とすることが可能であることには従来と変わりありません。

建物そのものについては、通常契約不適合責任についての条文があり、その免責や通知期間の短縮を売主が求めた場合、特約事項として記載することが一般的です。

しかし、付帯設備(配管・食洗機・浴室暖房乾燥機など)については、現況渡しで修理は免責を希望条件とする売主も多いですが、トラブル防止の為、より具体的に明記することが求められます。

土地の契約不適合について

地中埋設物のリスク土壌汚染のリスクがあります。地中埋設物とは、掘ってみるとコンクリートや瓦やいろいろなものがでてきたという可能性が十分考えられます。

また、心理的瑕疵も適用されます。建物内で自殺があったが、その建物がなくなっても瑕疵があるものとして捉えられる可能性が十分あります。土地のリスクとしては、擁壁がある場合、十分注意が必要です。

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