不動産売却の近未来とは?自分の家を直売したい!アメリカ不動産情報サイトの「Zillow」はご存知ですか?
代表的なポータルサイト(アメリカ)
業界最大手のZillow(ジロー)
Redfin(レッドフィン)
realtor.com(リアルター・ドットコム)
代表的なポータルサイトには業界最大手のZillow(ジロー)をはじめ、Redfin(レッドフィン)、realtor.com(リアルター・ドットコム)などがあり、買い手自ら物件を訪問する手間が省けます。物件が掲載されているだけの日本のポータルサイトとは決定的な違いがあります。
不動産の3Dツアーが特徴だそうです。
エージェント(仲介業者)向けのiPhoneアプリを使って室内のパノラマ写真を撮影すると、ジローのサーバーにおいて画像が切れ目なくつなぎ合わされ、3Dツアーがカンタンに出来上がるそうです。
一番の特徴は、Zestimate(ゼスティメイト)という不動産価格の査定サービスがあり、膨大なデータを駆使して、不動産がいくらで売れるのか簡単にわかります。従来のように不動産会社に依頼しなくてもネット上で価格が簡単にわかります。
このサービスは、売れるまでは誰にも本当の価値がわからないという不動産の常識を、 AIを活用した機械学習 により、覆えし、精度の高い価格推定を可能にしています。
想定額の算出には、物件の相対的な評価にエリア内の価格変動などの要素が加味された上でAIで自動算出されるそうです。 エリア内の価格変動については、過去数年間に渡ってどのように推移していたのかを知ることもできます。また、物件によっては過去数十年前まで遡り、その住宅がいくらで売買されたかなど、詳細な履歴が開示されるケースもあります。 以前の所有者が購入・売却した時の価格データも開示されており、これによってどのくらいの売却益を手にしたのかも知ることができるそうです。
物件のある地域の価格推移や、過去の売買履歴が丸裸に掲載されており情報公開が徹底されております。
ネットが発達すれば、中抜きができなくなる!
不動産情報サイトの中で、「Zillow」は他を圧倒する情報量があり、販売の予定さえない物件までもが掲載されているそうです。 アメリカ国内では、各州が不動産価格の公開を不動産業者に義務付けていますが、消費者が複数のサイトを閲覧せずに幅広く情報を得られるようになっているそうです。又、不動産の売主が自ら物件を登録して購入希望者を募集する機能を導入したりしているそうです。
価格以外に、土地の広さ、建物床面積、築年数、間取り図面など、日本の不動産サイトで紹介されている物件概要も開示されていますが、内装やキッチンをリフォームしたことが判明すると、想定価格にタイムリーに反映される情報スピードがあるそうです。ただ日本の中古市場では、リフォームの内容が売り出し価格には反映されにくい傾向がございます。そのあたりは、新築神話につながっているところがあると思います。 又、外観や内部の写真も、販売物件ではないものまで開示されており、取引データが残っている物件なら、住所さえ入力すれば、その家の価格推移や間取りなどが無料で見ることができるそうです。
アメリカでは、家を買う場合、昔は、その家が何年に建てられたのか、現在の家主は、いつから住んでいるのか、その家は、どれくらい市場に売りにでているのか、といった詳しい情報は、不動産営業マンに聞かないとわからなかった情報も、このサイトではすべてオープンにでています。
そもそも不動産を探す目的が日本とは違います。投資活動が日常的になっているアメリカ人にとっては自宅も株式投資と全く同じ投資対象と考えられており、若中年層も値上がりしそうな住宅を自宅用として購入し、好況期に価格が上がれば売却するというケースもアメリカでは珍しくありません。一生住み続けることを強く意識する日本人とは自宅に対する考え方が若干違います。 そのため、自宅の価値が日々どう変動しているかを常にチェックしたり、今は安くても先々値上がりが期待される物件を検索することを目的に、アメリカ人は利用します。
日本版Zillowを意識した不動産情報サイトが増え始めている日本でも、リアル店舗とネットが融合したものがはやくできるといいなと思います。
米国の不動産取引には、売り主自らが売り出す直売市場が10~15%程度あるそうです。仲介会社は仲介業務を行わず、あくまで契約手続きなどのサポートに徹するため、売り主は支払う手数料が安くすむメリットがあります。ネット上で売り主と買い主を直接結び付ける仕組みができあがっています。
現在は、フリマアプリ「メルカリ」が浸透し、個人同士が多様なモノを売り買いすることに抵抗のない時代ですが、ほとんどの売り主は過去に売却した経験がなく不安があり個別の事情をくみ取って売り出し価格の提案・売却戦略があり、不動産の専門的な判断が必要なため、成約に結び付けるには営業マンのサポートが必要と考えます。
ただ、マンションの売却に正規の手数料(3%+6万円+消費税)は取引の難易度からすると、高すぎると感じます。 特に築年数の新しいマンションは、仲介に入るリスクがほとんどないと思います。 築年数の新しいマンションで瑕疵担保責任のリスクはほとんど考えられません。 そこで、当社独自のマンション限定の当社独自の売却システムを行っております。
ちなみに、日本の中古市場では、不動産の買主が売り出し価格からいくら値引きできるか交渉システム、売主はそれに対して売出し価格と値引き希望額の間で折り合いをつけるスタイルが一般的ですが、アメリカでは、「その価格では売らない。売って欲しいなら、売り出し価格に上乗せした金額を見てから売るかどうか考える」という、交渉が当たり前とされているそうです。
不動産テクノロジーの今
︎不動産テクノロジーの先駆者アメリカでは、今どんなマーケットになっているのか気になるところです。日本の不動産業界の方向性が見えてくると思います。不動産業界をテクノロジーの力で、より効率的でオープンな市場にしようという流れが世界で広がっているのは間違いないと思います。
不動産×テクノロジーReal Estate Technologyつまり「不動産テック」と言われている分野です。
不動産テック企業で、イメージするのは、ソフトバンクビジョンファンドが多額の資金を投資して、多額の損失を出したことで、TVのニュースで有名になったウィーワーク(WeWorK)です。
上記写真はロンドンのWeWorkで、ロンドン、パリの街を歩くとWeWorkの看板がでているビルとよく出会います。
もともとニューヨークが出発点で、単なる転貸しビジネスにしか見えないビジネスモデルですが、多額の投資金額が流れてきてテクノロジーがかけ合わさっただけでとんでもない時価総額に膨らんでいることがすごいと思います。そもそも米国や英国では、オフィスビルの賃貸借期間は10年~15年が一般的で、これに対して、ウィーワークは最短1カ月から契約可能にしたビジネスモデルでこれにコミュニティという付加価値をつけているのが特徴です。そもそも多くのテナント企業が、人数の増減にフレキシブルに対応できるのが売りで、ウィーワークの顧客となってきたと想像できます。
現在の不動産テック分野を圧倒的にリードしているのはアメリカですが、文化や商習慣が違うのでアメリカのビジネスモデルがそのまま日本に来るとは考えにくいところはありますが、将来起こる未来をある程度予測できるかと思います。
アメリカでICT活用による「不動産テック」が登場したのは、スーモやホームズが登場したのと同じくらいと聞いていますが、日本はオープン化がかなり遅れてしまっている印象です。マネーの過剰流入がさらに不動産テックを加速化させている側面もあり、期待過剰になっているのも否めないとは思います。
日本において不動産テックが今後浸透すれば、不動産に関わる新しい価値が現れ破壊的イノベーションが起こり、Fintech等のITビジネスとの融合でよりオープンな市場が形成されることを期待しています。
ソフトバンクグループ(SBG)の投資ファンドであるソフトバンク・ビジョン・ファンドが不動産テックをキーワードに投資を進め、上記で記述したオフィスシェア事業のウィーワーク、デジタル仲介のコンパス、デジタル買取再販のオープンドアなどに出資しています。
●Compass(コンパス)
コンパスは、都市部の高級不動産をメインにしているデジタル仲介会社です。2012年設立と歴史は浅いですが、不動産業界での存在感を急速に増しています。コンパスの特徴は、不動産営業員の生産性向上のためのサポート力で、不動産取引に関わる諸手続きをオンラインで簡潔に行えるようにするシステムに力を入れています。営業員は、煩雑な手続きから解放され、物件の買い手との対話やニーズの聞き取りに集中できるようになり質の高いサービスが提供できるようになります。 自社開発のツールでエージェントの営業生産性アップを推進しています。
●Opendoor(オープンドア)
アイバイヤーといわれるデジタル買取再販とは、AI(人工知能)による物件の価格査定を行い、スピーディに住宅を購入、転売することで利益を得るスキームです。ただ、このスキームは、価格が安定している新興住宅地に限られます。 オープンドアの特徴は、売主・買主の仲介プラットフォームにとどまることなく、セルフサービスの不動産見学を随時開催しているところです。売却までのプロセス(物件査定・売買契約・支払いなど)を
予測分析のアルゴリズムで 買取価格を提示し 、不動産取引を可能な限り効率化されています。
実勢価格より約10%安く買い取るかわりに、数か月かかっていた査定から成約までプロセスを、最短2日で済ませることができるサービスをデジタルでしています。
●Redfin(レッドフィン )
レッドフィンは不動産情報を検索できるポータルサイトも持ちながら、かつエージェントを抱えて不動産仲介業をしていることが特徴で、「物件を売る時」 手数料が1.5%と割安に売却できるのも大きな特徴です。
また、Redfinのポータルサイトの膨大なデータを駆使して行う価格推定の精度がZillowを上回っているという噂です。 Zillowは、エージェントを抱えていないので、 Redfinのエージェントの独自のデータを反映できる仕組みであれば、不思議ではないと思います。 他社と大きく違うところは、顧客満足度を徹底的にガラス張りで開示して、エージェントが評価されるところです。
これからの一手
米国の大手仲介会社Keller Williams(ケラー ウィリアムズ)やREALOGY HOLDINGS はエージェントを中心に据えた不動産プラットフォームを提供するテクノロジー企業へと進化することを宣言せざるを得ないところに追い込まれて、変革に取り組んでいることを考えると、各不動産会社の目指す終着点がみえてくるような気がします。
売買契約の完全オンライン化となる時代も目の前まで迫っています。
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