マンション購入で後悔するなら新築一戸建!マンションは建替え不可能!既存不適格は絶望?

マンションのポイント

マンション購入で後悔するなら新築一戸建!マンションは建替え不可能!既存不適格は絶望?

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戸建てとマンション。一番大きな違いは、立て替えができるかできないか。確かにマンションでも建て替えができている事例はあるが、どれも容積率が余っていて、持ち出しのお金がゼロの物件ばっかり。マンションの建て替えを目指すのはできるだけ避けて、維持管理をきっちりやっていくしかない。そうは言っても、いつかは建物の寿命がやってくるので、建て替えにあたっての課題と物件の選び方について不動産業界歴20年以上のプロが徹底解説していきます。 

ほとんどのマンションは建て替えができない

一般的に、築30年~築40年くらいから建て替えを視野に動く管理組合も多いが、10年経っても20年経ってもまとまらないのが現状です。マンションの建て替えを難しい1番の理由は、「経済的な問題」です。 マンションの建て替えにどれだけの費用がかかるのかというと、まずは現在の建物を取り壊す費用、そして新たな建物を建てる建築費用ですが、例えば、解体費用だけでも1住戸あたり400万円、500万円はします。RCの解体費用は高くつきます。そして、新しい建物は、例えば坪100万円でできるとすると、70平米くらいの広さであれば、21坪くらいなので、21×100で、2100万円くらいはかかることになります。これでざっくりと2500万円くらいかかります。これだけではなく、実際には、建築中、仮住まいが必要になります。少なくとも1年から2年の仮住まいは必要なので、1住戸あたりトータルで3000万円くらいは必要になるとおおまかに考えることができます。

立て替えができない一番の理由はお金の問題

全員が納得し、足並みを揃えて建て替えの費用を用意するのはかなりハードルが高い!不可能に近い! 

(1)既存建物の解体費用 

(2)新たな建物の設計・建築費用

(3)工事期間中の仮住まいのための費用 

マンションの規模や形やグレードによっても大きく変わりますが、その平均的な費用相場は1戸あたり3000万円程度にはなります。

解体費用や建築費用だけでなく、工事には1~2年程度を要するため、その間は賃貸で仮住まいをする必要があることもわすれてはいけません。また仮住まいをするには工事前と完成後の2回分の引っ越し代も必要になります。

建て替えを考えるようなマンションの場合、かなりの築年数が経過しているので、すでに住宅ローンを完済している方もいますが、中古で購入し、まだまだ残債が残っている方もいると思います。その場合、現在の住宅ローンに加えて、建て替えに充てる費用もローンで組むことになり、ダブルローンを組まないといけないことになります。ダブルローンは審査が厳しいので、年収や勤続年数、勤務先などの属性がよくなければ、ダブルローンの住宅ローン審査は否決される可能性が高くなります。 

また、もう働いていなくて年金受給者にとっては、ローンが組めないのは当然のことながら、仮に組めたとしても支払いが厳しい可能性が高くなります。このようにお金が絡んでくると、全員が納得し、足並みを揃えて建て替えの費用を捻出することはかなり厳しいというか、不可能といった方がいいと思います。

建て替えができているマンションの共通点とは

立て替えができる可能性のあるマンションは、
立地がよく容積率に余裕のある物件に限定されます。

お金の持ち出しがなく、等価交換で建てているケースしか建て替えはできていません。

ほとんどのマンションは当てはまりません。

立て替えができているマンションには共通点があります。立地がよく容積率に余裕のある物件です。

お金の部分が、問題なくなれば、建て替えできる確率が上がります。実は、区分所有者の費用負担を軽減できる方法があります。しかし、それは容積率に余裕がある場合に限られます。容積率とは「敷地面積に対する建物の延床面積の割合」のことです。

容積率に余裕があるということは、「戸数を増やして上に積んでいくことができる」ということです。 これができれば、建て替えの際に、戸数を増やし、その増やした住戸を分譲して、その利益を建て替え費用にあてることができます。 

デベロッパー(不動産分譲会社)が、間に入っても利益が生まれる場合、等価交換という形で、デベロッパーがその区分所有者の土地の持ち分を買い取るという形で、持ち出しなしで、建て替えることができます。大阪の千里ニュータウンのマンションの建て替えはすべてこの方法で建て替えがされています。だから立て替えの決まった古いマンションは、立て替えの決まる前の相場が1000万円前後でしか売れなかったのですが、分譲会社が買い取る金額が高かったため、2300万円~2500万円で取引されるようになりました。こういった分譲マンションの場合、もともとの区分所有者の住戸は、非分譲として販売されません。すべて公団の分譲マンションで、広い敷地があるにもかかわらず、エレベーターなしの5階建ての分譲マンションです。民間の分譲マンションは、容積率をいっぱいに使って分譲していますので、条件が全然違うことになります。

そもそも、分譲会社が事業として成り立たせるためには、高層化した住戸を売って利益を出さなければいけません。そうすると駅に近い一等地のロケーションのいい立地にある物件に限定されるということになります。「戸数を増やせて、且つ、高く売れる」立地のマンションでなければ、区分所有者の負担軽減することはできないということです。 

しかし、知っておかないといけないのは、持ち出しなしつまり無料で建て替えができた物件でも、建て替えまでに、建て替えの話がでてから10年から20年かかってやっと、踏み切ることができているという事実です。いかに難しいことかわかります。お金が絡めば、ほぼ不可能といえます。

5分の4の賛成が必要な建て替えはかなり高いハードル!

 

実際に、マンションの建て替えを実行するには、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に基づく「建て替え決議」を行う必要となり、「集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議をすることができる。」と定められています。 

つまり、建て替え決議を行うには、組合員(区分所有者)の総数と議決権の総数のそれぞれ5分の4の賛成を得る必要がありますが、お金の問題だけでなく様々な問題が噴出してきます。 

また、例えば「室内をリフォームしたばかりで、建て替えたくない」「もういい年齢なのでもうそれほど長く生きることはできない。建て替えしても意味がない。」など、様々な価値観や考え方があります。

建て替え決議を成立させるには、考え方や価値観の違う区分所有者の意見をまとめないと前には進みません。仮に5分の4の賛成を取り付けたとしても、ダブルローンを組めない人や年金生活者は、どうやって生きていくのかという問題もでてきます。

建て替えか維持管理かそう簡単に意見はまとまるわけがない

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仮に、建て替えにかかる費用がゼロ円としても簡単にはまとまらない!

建て替えの議論がでるような古いマンションでは、様々な年齢の方が住んでいます。様々な価値観・考え方をまとめていく必要があります。

一番厄介なことは、相続によって、所有者が誰なのかわからなくなってしまっているケースです。資産価値のないマンションと判断すれば、毎月の管理費・修繕積立金の負担を考えて相続放棄することも考えられます。

大きくは「すぐにマンションを建て替えるべき」という建て替え派と、「建て替えはせず、このまま維持管理して寿命をできる限り伸ばしたい。」という維持管理派の2つの考え方がありますが、戸数が多ければ多いほど、多様な考え方や個別の事情が存在します。

実際、大阪の千里ニュータウンの建て替えの時も、分譲会社が土地の持ち分を高価買い取りで、等価交換で持ち出しがゼロ円にもかかわらず、建て替えの議論が始まってから10年~20年かかっていることを考えると、容積率に余裕のない民間の分譲マンションで高額な建て替え費用が発生するとなると、まとまる可能性がいかに低いかがわかります。

契約時、さらっと知らされる既存不適格の意味!建て替えは絶望を意味する!

高額な建て替え費用の負担だけでなく、建て替えをしてしまうと、現状の住戸の専有面積の広さよりも狭くなってしまうマンションも存在します。

どんなマンションが、あてはまるかというと「既存不適格」のマンションです。 築年数の古いマンションがこれに該当する可能性がでてきます。

都市計画法・建築基準法のような法律は、時代に合わせて改定されていきます。契約時、説明される重要事項説明書はあくまで、現時点での都市計画法・建築基準法に基づいて行われるに過ぎません。将来、どう変わるかは予測できません。新築マンションで購入しても将来、法律が厳しくなって、法律に適合しない物件になる可能性があるということです。昭和25年に施行された建築基準法もたびたび改定され、建物の建築当時には適法だったものの、その後の都市計画法・建築基準法の改定などによって、現行の法律に適合しなくなってしまった建築物のことを「既存不適格物件」といいます。

ただし、現行の法律に適合していないからといって、 「違法建築物件」とは違います。だから、建て直さなければならないというわけではありません。

あくまで、既存不適格物件の場合、「建築時には適法だった」もので、現状のまま住む分にはまったく問題はありません。しかし、建て替えをする場合に大きな問題が起こります。

既存不適格とは 契約前に知っておくべきこと

建物の建築当時には適法であったが、その後の法令の改定などによって、現行の法律に適合しなくなってしまった建築物のことを「既存不適格物件」といいます。この物件を購入する場合、建て替えは絶望と知った上で購入しなければいけません。購入した瞬間から、資産ではなく負債にしかなりません。

何年以上住めば元が取れるのか、割に合うのか考えて、割り切って購入するしかありません。

つまり、既存不適格物件のマンションは、容積率や建ぺい率、高さ制限などで、より厳しく法改正された場合に起こります。大阪の北摂エリアでは、箕面市のマンションで多く見受けられます。御堂筋線の沿線で、新駅ができるということでお祝儀相場で高値になっているマンションもありますが、高さ制限においてひっかかり、既存不適格になっているマンションが多く存在します。

容積率や高さが超過している場合、建物を建て替える場合、1戸あたりの専有面積を減らすか、あるいは物件の戸数を減らすしか方法はありません。 建て替えの時、大変なことになると言うことは十分、想像できます。

この状態で高額な建て替え費用を負担しなければならないとなれば、だれも賛成しないかもしれません。建て替えは絶望としか言い様はありません。

容積率を緩和するしか建て替えの道はない!

今後、老朽化が進み、建物の寿命を迎えるマンションが増えて、社会問題化していくことが目に見えています。建て替えの可能性が高くなるとすると、持ち出しのお金がゼロ円で、新築に建て変わるパターンに限定されることを踏まえると、現在、行政のコスト負担を軽減するために居住誘導エリアと非居住誘導エリアに分かれているように、建て替え誘導エリアというのを作って、特別に容積率を緩和する法律を作るしか建て替えの道はなさそうです。

管理組合としても、建物をできるだけ長く維持するのか、建て替えを目指すのか、あるいは区分所有権を解消して売却するのか、自分たちのマンションの将来を見据えた管理維持を目指さなければ、ゴーストタウン化して倒壊を待つだけになってしまいます。

2021年6月、アメリカのフロリダ州で倒壊したマンションは、1981年建築で築40年ほどのマンションです。

米フロリダ州で12階建てマンションが崩壊(2021年6月25日)

戸建てであれば、自分の意思だけで建て替えができる!マンションと戸建てどっちがいい?

マンションと違って、自分の意思だけで建て替えができるのが戸建てです。マンションの魅力はなんといっても立地・ロケーションです。戸建てでは手に入らないロケーションで買うからこそマンションの魅力がでてきます。中途半端なマンションを購入するくらいなら、駅徒歩20分から25分くらいで、そこそこの新築一戸建てを狙うのがお薦めです。大手の建て売り住宅であれば、耐震等級3,住宅性能評価が標準でついており、一昔前の建て売りと比較すると数段レベルアップしています。

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