新築一戸建価格高騰の恐れ!飯田グループはロシア木材企業買収もロシア侵攻で木材需給逼迫
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マンション価格と比較してかなり割安だった新築一戸建ての価格が上昇・高騰の可能性がでてきました。新築一戸建ての相場の押し下げに貢献していた飯田グループのロシアの木材企業の買収の状況と今後の新築一戸建の相場の動きを解説していきます。
世界的に住宅の建築需要が増えたウッドショックが継続
現在、世界的に住宅の建築需要が増えて、木材価格が高騰し、ウッドショックが継続しています。
木材の輸入価格は、この1年で2倍以上に高騰しています。
今後もウッドショックが続くかぎり、木材価格は下がることはなさそうです。
さらに、ウクライナ危機により、 世界の約2割の森林を有する森林大国ロシアの木材の供給減少が日本国内における木材需給バランスに大きく影響を与えそうです。
ロシアのウクライナ侵攻や欧州などの経済制裁のあおりで、「ウッドショック」で高値が続く米国相場でも上昇圧力が強まっています。
新築の値段と中古の値段は連動して動きます。新築の値段が上がるということは、中古の値段も上がるということです。
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木材以外のサッシ等の建材も上がり続けている
値上がりをしているのは、木材だけではありません。
LIXIL(東京都江東区)は2022年4月からの価格改定を行い、主要商品では住宅用サッシが10~12%程度、エクステリア関連が10%程度、トイレが2~33%程度、ユニットバスルーム4~39%程度、キッチン2~11%程度などの値上がりとなっています。
ウッドショックが終わったとしても、他の建材の価格上昇、人件費の上昇は続くと考えられます。数年後は更に高騰している可能性もありそうです。
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飯田グループでも1ヶ月先の建築費が見えない
土地は、仕入れたものの、着工できるタイミングでは、大幅に建築費が上がっている可能性があるのが今の現状です。そのため、予定販売価格を上げて販売せざるを得ない物件も今後でてくると予想されます。
飯田グループの会社規模でさえ、建材の価格高騰のあおりを受けており、飯田グループでも1ヶ月先の建築費が見えていない状況です。
建材の大幅高騰のあおりを一番受けているのは、中小の会社です。規模が小さいほど大きく建築コストが上昇しています。
価格高騰だけでなく、木材などの建築資材が、予定通り入ってこないので、工期が遅れている物件もあります。半導体不足の影響から給湯器・食洗機等に大きな影響がでています。
リフォームで給湯器の交換を検討している方は、早めに動いておいた方が無難です。
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自社の木材の安定供給の為に飯田グループではロシアの木材企業を買収
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ハウスメーカーでは、木材など建築資材の確保が重要で、飯田グループでは、 ロシアの木材企業 RFPグループ( RFPはロシア東部のハバロフスク拠点 )を600億円で買収 しました。
ロシアの木材企業 RFPグループ の株式の75%を取得し、世界的な木材不足「ウッドショック」継続の中、自社で手掛ける住宅向けに安定供給するだけでなく、木材の加工販売業に参入し新たな収益の柱にすることをもくろんでいました。
年間約4万6000棟の戸建て住宅を販売する飯田GHDの木材の安定供給になる予定でした。
ロシア政府による認可が下りたばかりで、買収金額を振り込む前にロシアの侵攻が始まったため、非常に大きな影響を受けることになりました。
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九州の約1.08倍 広さ400万ヘクタールの森林を獲得
飯田グループは企業買収交渉を2年かけ、ロシア極東にある『ハバロフスク』で、400万ヘクタールという広大な森林の伐採権を獲得しました。
九州の約1.08倍の森林という大きさだけでなく、距離的にも近く輸送に時間がかからないというメリットも生まれます。
極東ロシアの『ハバロフスク』は、北海道のすぐ上にある樺太の西側で、ヨーロッパや北米と比較するとかなり近いところにあります。
木材の加工販売業にも参入し、国内の他の住宅メーカーや海外などに供給予定でした。産出する木材の3~4割程度を飯田GHDの住宅などへ供給し、その他を外部への供給などにまわす事業の拡大が暗礁に乗り上げた形となっています。
ロシアの木材企業の買収は輸送コストと時間のメリット
コロナ以前、ヨーロッパから木材を輸入する場合、船便で約2カ月、北米からなら約2~3週間くらいかかりました。
しかし、コロナ以降コンテナ不足で、もっと時間がかかっています。
それを考えると、極東ロシアは日本まで距離が近く、船便でも3~4日で日本に木材輸入できるのは大きなメリットです。
コロナ後は、欧州などから外国材を調達すると長いと半年かかる可能性もあることから、大きなメリットになります。
日本の住宅市場は飽和状態! ロシアの木材企業の買収は、世界で住宅供給の試金石
そもそも2013年に、飯田グループが経営統合した目的には、日本の住宅市場のパイの大きさの限界があります。それぞれの企業が生き残りをかけて、パイの奪い合いを避けるため、経営統合をして相乗効果を狙っています。そのため、店舗の統廃合も時期がくれば行われると思っていましたが、2022年2月には、飯田産業がオリエンタルホームを吸収して4月から、オリエンタルホームの店舗は消滅しました。今後、まだまだ統廃合が続くと予想しています。
今後の新しいマーケットを求めて、海外への展開が重要になってきます。アジアの中では、ASEANの中で、人口が最大のインドネシアが、魅力的なマーケットとして考えられています。飯田産業は、ジャカルタで合弁企業、アーネストワンは、バリに子会社を設立しています。成長する発展途上国で、地域に合うビジネスモデルを作っているところですが、現地の施工体制が課題となっています。
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飯田グループの買収はロシアへの経済制裁による影響を受けている
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ロシア政府による認可が下りたばかりで、買収金額を振り込む前にロシアの侵攻が始まってしまいました。2022年2月頃から本格的に経営に参加する予定だったため大きく影響を受けています。
国際的な資金決済網である国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの大手銀行が排除されたことで、買収金額の送金にも大きな影響を受けています。
ロシアへの経済制裁では、ロシアの銀行を『SWIFT』から締め出す措置が、木材の輸入に大きく影響しています。
SWIFTとは、ベルギーに本部を置く国際銀行間通信協会で、外国へ送金をするための世界的な決済ネットワークの一つで、海外に送金するためには、 SWIFTが絶対必要となり、SWIFTから締め出されたということは、現金でもっていくしか方法がなくなります。
参考:全国銀行協会 SWIFT
SWIFT締め出しは、経済の核爆弾ともいわれるほどの経済制裁の一つです。
SWIFTが利用できなくなると言うことは、 代金の支払いが困難で貿易そのものが出来なくなると言うことです。
2022年4月現在、ロシアの多くの銀行が最強の経済制裁とされるSWIFTからの排除を受けていますが、EUが、天然ガスなどの取引に使うロシア最大手の銀行「ズベルバンク」と「ガスプロムバンク」、この二つはSWIFTからはまだ排除されていない状況だそうです。
ロシアの木材が輸入できない状況
飯田グループは、600億円もかけて、森林の伐採権ごと企業買収したのに、経済制裁でSWIFTが使えないため、木材を輸入できない状況です。
ウクライナ危機が終わっても、経済制裁は続くと考えられることからロシアから木材を輸入する事が出来ない状況が続くと予想されます。
ウクライナ危機が終わっても価格高騰は継続し続ける
ウクライナへのロシアの軍事侵攻は、私たちの住宅購入に大きく影響を与えています。
新築一戸建ての価格高騰は、木材だけでなく、そのほかの建材の値上がりなど様々な要素がからんでいます。かりにウクライナ危機が終わったとしても、経済制裁を続いていくという理由だけでなく様々な理由から新築一戸建ての価格上昇は続くと予想しています。そもそも新築一戸建てはいままで価格が安すぎたとも考えています。
マンションはすでに、上昇・高騰が続いているにもかかわらず、新築一戸建て価格が、安いまま放置されてきたのは、 年間約4万6000棟の戸建て住宅を販売する飯田グループの貢献度はかなり高いと考えています。
飯田グループは、ボリュームゾーンへ割安な戸建て供給を得意としています。
不動産経済研究所によりますと、2021年度に首都圏で発売された新築マンション、1戸当たりの平均価格は6360万円となり2021年度に発売された首都圏の新築マンション価格はバブル期を超え、過去最高を記録しました。 バブル期の1990年度の平均価格、6214万円を100万円以上、上回り過去最高を記録しました。
マンション価格の上昇には都心部の地価が上昇していることだけでなく、建築資材価格などの高騰による工事費の上昇、都心の開発が進み、マンションに適した広い用地が限定されているなどが要因とみられています。また、日本は、ほかの先進国と比較すると、物価が安く、住宅価格もまだまだ安いため、外から見るとお得に感じ投機的な動きからマンションは、資金流入を受けやすい傾向があることもマンションの価格上昇が続いている要因だと思います。
現在、値段が下がる要素が全くなさそうです。
変動金利はまだ影響はありませんが、固定金利が少し上昇してきていることから、住宅ローンの金利動向も注視しながら、価格相場が下がる可能性はないという前提で、購入のタイミングを図ることが大切です。
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